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吉岡 研一*; 菊池 司*; 郡司 智*; 熊埜御堂 宏徳*; 三橋 偉司*; 馬野 琢也*; 山岡 光明*; 岡嶋 成晃; 福島 昌宏; 長家 康展; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(2), p.282 - 293, 2015/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉臨界格子体系における修正転換比測定を用いてボイド反応度を評価する手法を開発した。各燃料棒の修正転換比から推定される"中性子無限増倍率", を用いて集合体ごとのボイド反応度を評価する。低減速軽水炉では負のボイド反応度評価が重要な課題であり、低減速軽水炉格子における臨界実験で修正転換比分布を測定し、を推定した。測定値は連続エネルギーモンテカルロ法で解析を行った。開発した手法は、ボイド反応度に関する核設計手法の妥当性評価に有用である。
吉田 啓之; 玉井 秀定; 大貫 晃; 高瀬 和之; 秋本 肇
Nuclear Engineering and Technology, 38(2), p.119 - 128, 2006/04
日本原子力研究開発機構において開発が進められている超高燃焼水冷却増殖炉の熱設計においては、詳細二相流解析手法により、稠密炉心の除熱性能を評価する。この一環として本研究では、改良界面追跡法を用いた詳細二相流解析コードTPFITの開発を行っている。本報では、解析コードのベクトル並列化を行い、大規模解析に対応させるとともに、解析コード検証解析や稠密炉心を模擬した体系における解析結果を示す。
中塚 亨; 玉井 秀定; 秋本 肇
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
水冷却増殖炉の熱水力的成立性を確認するために原研が実施している37本稠密格子バンドル試験を、サブチャンネル解析コードNASCAを用いて解析した。NASCAはギャップ幅1.3mmの場合、限界出力を良好に予測できるが、ギャップ幅1.0mmの場合予測精度が劣化した。予測されたBT位置は試験結果と一致した。今後、ギャップ幅効果を考慮してコード中のモデルを改良する予定である。
Liu, W.; 大貫 晃; 玉井 秀定; 秋本 肇
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 5 Pages, 2005/10
37本燃料棒間ギャップ幅1.0mm定常限界出力試験データを用いて、既存相関式を改良した。全ての37本バンドルデータ(ギャップ幅1.3mm, 1.0mm, データ総数295)に対する計算精度は、標準偏差で7.35%であった。拡張性を評価するため、BAPLデータとも比較した結果、よく一致することを確認した。また、改良式は各パラメータの限界出力への効果をよく評価できることも確認した。改良限界出力相関式をTRACコードに組み込み、異常な過渡事象を解析した。その結果、過渡時のBT判定が定常用限界出力相関式の計算精度の範囲内で評価できることがわかった。
金子 哲治; 塚谷 一郎; 木内 清
JAERI-Research 2005-005, 23 Pages, 2005/03
低減速軽水炉の炉心は、高転換比と超高燃焼度を同時に達成するために、MOX燃料とUOブランケットの各ペレット領域を多段に積層した燃料要素から構成される。その燃料要素の設計では、長手方向におけるトランジェントな熱出力分布に起因した局所的変形挙動の評価が重要となることから、実炉で想定される燃料被覆管の温度分布及び応力分布の数値解析を行い、局所的な変形挙動の評価試験条件を選定した。それをもとに、燃料被覆管の熱変形挙動評価試験装置の温度分布制御等の再現試験を行い、最適な実験条件を選定した。併せて、被覆管の熱変形挙動で想定される疲労及びクリープ及び熱物性等の基礎データを取得して、燃料被覆管の多軸応力場における力学的特性評価に必要となる試験・解析条件を整えた。
Liu, W.; 呉田 昌俊; 大貫 晃; 秋本 肇
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(1), p.40 - 49, 2005/01
被引用回数:7 パーセンタイル:44.84(Nuclear Science & Technology)原研7本軸方向一様発熱データ,7本,37本軸方向非一様発熱(低減速スペクトル炉の軸方向出力分布を模擬)データを用いて、稠密バンドル用限界出力相関式を開発した。低質量速度領域と高質量速度領域に分けてそれぞれの領域用の式を開発した。低質量速度領域用で(限界クオリティ-限界環状噴霧流長さ)型の式であり、高質量速度領域用で(局所限界熱流束-限界クオリティ)型の式である。新相関式は694点の全原研データを標準偏差6%の精度で計算できた。また、新相関式の拡張性を評価するため、BAPLデータとも比較した。標準偏差7.7%の精度で177点のBAPLデータを予測することができた。新相関式は各パラメータの限界出力への効果もよく評価できた。新相関式の適応領域は下記の通り:ロッドギャップは1.0-2.29mm、発熱長は1.26-1.8m、質量速度は150-2000kg/ms、圧力は2.0-11MPaである。
吉田 啓之; 永吉 拓至*; 小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 秋本 肇
日本原子力学会和文論文誌, 3(3), p.233 - 241, 2004/09
現在の原子炉燃料集合体の熱設計において用いられるサブチャンネル解析コードでは、実験結果に基づく多くの経験式が必要である。日本原子力研究所において開発を進めている超高燃焼水冷却増殖炉では、燃料棒間ギャップ1mm程度の高稠密炉心が用いられるが、高稠密炉心におけるギャップ間隔などの影響について、十分な情報は得られていない。そこで高稠密炉心内気液二相流特性を、大規模数値シミュレーションによって解明する手法の開発を行っており、この一環として、高い体積保存性と界面輸送性を有する新たな界面追跡法を構築し、それを導入した二相流直接解析手法を開発した。本報では、開発した解析手法の詳細を示すとともに、検証計算の結果を述べる。本研究の結果、本提案の解析手法の気泡流に対する体積保存の誤差が0.6%以下であることを確認した。
岩村 公道; 大久保 努; 秋江 拓志; 久語 輝彦; 与能本 泰介; 呉田 昌俊; 石川 信行; 長家 康展; 新谷 文将; 岡嶋 成晃; et al.
JAERI-Research 2004-008, 383 Pages, 2004/06
本報告書は、日本原子力研究所,日本原子力発電,日立製作所,東京工業大学が財団法人エネルギー総合工学研究所からの委託を受けて平成1214年度に実施した革新的実用原子力技術開発提案公募事業「受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発」の成果をまとめたものである。本提案公募事業では、エネルギーの長期安定供給を確保するとともに、コスト競争力の強化,プルトニウムの有効利用,使用済燃料蓄積量の低減など、原子力発電及び核燃料サイクルが直面する課題の解決、及び安全性・経済性にかかわる技術の一層の向上を図るため、既に実用化している軽水炉技術を最大限に活用し、中性子の減速を抑制して転換比を上げることにより燃料の増殖,高燃焼度・長期サイクル運転,プルトニウムリサイクルが可能となる低減速軽水炉の開発を実施した。 炉心設計,プラントシステム設計とともに、熱流動成立性,炉物理的成立性,燃料の安全性,燃料サイクルの検討を実施し、実用化へ向けた成立性の見通しを得た。
Liu, W.; 呉田 昌俊; 秋本 肇
JSME International Journal, Series B, 47(2), p.299 - 305, 2004/05
低減速軽水炉の重要な開発課題の一つが、熱工学的成立性の確認である。本研究では、330MWeの低減速軽水炉の炉心を模擬した三角格子配列7本バンドル試験体を用いて、限界出力特性を調べた。実験は、低減速軽水炉の定格運転時のホットチャンネル条件を中心に、出口圧力,質量速度,入口水温,径方向ピーキング係数を系統的に変えて、約300点のデータを蓄積した。各パラメーターの限界出力や限界クオリティへの影響を調べた。また、設計式であるArai式を検証した結果、定格運転条件近辺では、評価式が実験値と予測精度10%程度で一致するが、定格運転条件以外の条件において、Arai式の予測性能が低下することがわかった。
金子 哲治; 塚谷 一郎; 木内 清
JAERI-Tech 2004-035, 18 Pages, 2004/03
低減速軽水炉用燃料は、高転換比と高燃焼度化を同時に達成するために、MOX燃料とUOブランケットの各ペレット燃料域の積層構造を有している。当該燃料棒は、現用ABWR燃料と比較して、長手方向における不均一な線出力密度分布に伴う熱応力が加わることが特徴である。そのためMOX燃料とUOブランケットに起因した異なる温度分布を持った被覆管の局所的変形挙動の評価が最も重要となる。そのような力学的特性評価試験法として、短尺の被覆管試験片を用いて、実用条件で想定される当該燃料棒の一段の積層部における2軸応力下での熱疲労挙動が再現できる力学的特性評価試験装置を設計した。本装置は、温度分布制御用加熱部,軸方向疲労要素負荷用低サイクル疲労制御部及び内圧疲労要素用の内圧負荷部から構成され、局所的な変形挙動が高精度で測定できる。また、本装置により、炉の起動停止や制御等の運転モードが関係した負荷変動,燃料棒の拘束条件,燃焼度に伴うFP内圧変化の試験を行うことが可能である。
Shelley, A.; 久語 輝彦; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 岩村 公道
JAERI-Research 2004-002, 47 Pages, 2004/03
高転換,負のボイド係数,高燃焼度の達成を目指すMOX燃料シード・ブランケット型燃料集合体によるPWR型低減速軽水炉の核的検討を行った。集合体燃焼計算結果から、シード燃料棒を内側15層(S15),ブランケット燃料棒を外側5層(B5)に配置したS15B5配列が推奨できる。集合体軸方向構成を最適化した結果、S15B5配列に対して、シード部高さ1000mm2,内部ブランケット高さ150mm,軸ブランケット高さ400mm2の構成が高転換を得るうえで最良である。本構成により、転換比1,炉心部平均燃焼度38GWd/tが達成された。さらに、シード部高さ500mm2とすれば、炉心部平均燃焼度45GWd/tが達成可能であり、その場合、転換比は1よりわずかに小さい0.97となる。両構成ともボイド係数,燃料温度係数は負である。MOX燃料の代わりに金属燃料やトリウムを母材とする燃料(T-MOX:PuO+ThO)を使用した場合の検討を加えた。金属燃料では、転換比は向上するが、ボイド係数は悪化し、一方、T-MOXでは、ボイド係数は改善するが、転換比は減少する。
鍋島 邦彦; 中塚 亨; 石川 信行; 内川 貞夫
JAERI-Conf 2003-020, 240 Pages, 2003/11
「低減速軽水炉研究会」は、日本原子力研究所(原研)が革新的水冷却炉として研究を進めている低減速軽水炉について、研究の効率的推進に資することを目的として、所内関連部門の研究者と大学,国公立試験研究機関,電力会社,原子力メーカー等の所外研究者とが情報交換を行っているものである。本研究会は、平成10年3月に開催された第1回会議以来、毎年開催されており、第6回となる今回は、平成15年3月6日に東海研で行われ、昨年同様、日本原子力学会北関東支部の共催を得て、所内関連研究者,大学,研究機関,メーカー等から100名の参加があった。第1部では、原研における低減速軽水炉の研究開発の現状とともに、小型低減速炉の設計研究,低減速炉心の臨界実験,高性能被覆管の開発,限界熱流束実験に関する最新の研究成果(5件)が報告された。また、第2部では、革新的原子炉研究開発を巡る動向として、「実用化戦略調査研究」及び「超臨界圧水冷却炉の研究」について、それぞれサイクル機構と東芝からの発表があった。
Shelley, A.; 嶋田 昭一郎*; 久語 輝彦; 大久保 努; 岩村 公道
Nuclear Engineering and Design, 224(3), p.265 - 278, 2003/10
被引用回数:15 パーセンタイル:66.87(Nuclear Science & Technology)プルトニウム多重サイクルを目的とし転換比1以上を目指した軽水冷却PWR炉心の設計研究を行っている。シード・ブランケット燃料集合体を採用することにして、燃料集合体の最適化についてMVP-BURNコードを用いて集合体計算により広範囲に検討した。集合体計算は炉心径方向の中性子漏れが考慮されないので、ボイド係数は約20pcm/%void程度まで許容されるとした。集合体のシード割合及び大きさについて検討し、シードの割合は50%から60%程度がよい。集合体は燃料棒配置が20列程度の大型にするのが良く、シード燃料棒の配列が15列、ブランケットの配列が5列の場合が良い。この集合体を用い軸方向2重炉心を採用するとして、軸方向ブランケット,内部ブランケット,シード部の高さ等の最適化を行い、それぞれ400mm2,150mm,1000mm2という結果が得られた。この集合体に対して転換比1.0、ボイド係数は21.8pcm/%voidとなる。軸ブランケットを除く炉心部の平均燃焼度は38.18GWd/t,分裂性プルトニウムの濃縮度は14.6wt%である。この集合体で現行PWR並みに45GWd/tの燃焼度を得るためにはシード燃料の高さを500mm2とすると、必要な濃縮度は17.3wt%となり、転換比は0.97,ボイド係数は20.8pcm/%voidとなる。
大久保 努
混相流, 17(3), p.228 - 235, 2003/09
低減速軽水炉は、これまで培われてきた軽水炉技術に立脚しながら、プルトニウムの多重リサイクル、さらには、プルトニウム増殖サイクルを実現可能な原子炉である。これまでの低減速軽水炉の設計研究の概要を紹介するとともに、関連する研究開発課題について、熱流動的研究の内容に力点を置いて紹介する。
中塚 亨; 玉井 秀定; 呉田 昌俊; 大久保 努; 秋本 肇; 岩村 公道
Proceedings of International Conference on Global Environment and Advanced Nuclear Power Plants (GENES4/ANP 2003) (CD-ROM), 6 Pages, 2003/09
低減速軽水炉の稠密格子炉心の熱的余裕を評価することは重要である。本研究では、サブチャンネル解析の稠密格子炉心への適用性を評価するため、COBRA-TFを用いて稠密格子限界熱流束実験を解析した。軸方向一様加熱バンドルに対して、COBRA-TFによる限界出力予測値は質量速度が500kg/(ms)付近で測定値とよく一致し、これより低流量側で測定値より低い値に、高流量側で測定値より高い値となる。BT予測位置は、外周チャンネルで、実験とは異なった。軸方向二重出力分布バンドルでは、質量速度が200kg/(ms)付近で測定値とよく一致し、これより高流量側で測定値より高い値となった。摩擦損失の二相増倍係数がサブチャンネル間の流量分布に大きな影響を与えることがわかった。計算の精度を向上するためには、稠密な体系における圧力分布の予測を含めた流量配分の正確な予測が求められる。
大貫 晃; 高瀬 和之; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 玉井 秀定; Liu, W.; 秋本 肇
日本機械学会2003年度年次大会講演論文集, Vol.3, p.247 - 248, 2003/08
長期的なエネルギー供給を担える革新的な水冷却炉として、核分裂性プルトニウムの増殖比1.1以上、100GWd/t以上の超高燃焼度を目指した技術開発を文科省の革新的原子力システム技術開発公募事業として平成14年度より開始した。そこでは高稠密格子炉心の除熱技術開発、超高燃焼度を達成するための燃料要素技術開発、及び核特性予測技術開発を行う。本シリーズ発表では除熱技術開発に焦点を当て、高稠密体系での除熱限界を実験的及び解析的に解明する計画を提示するとともに、実験及び解析のより具体的な内容を報告する。
新谷 文将; 中塚 亨; 頼経 勉; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 石川 信行; 佐藤 隆; 渡辺 博典; 大久保 努; 岩村 公道; et al.
JAERI-Research 2002-018, 37 Pages, 2002/10
燃料棒間ギャップ幅が1mm程度の稠密炉心を有する低減速スペクトル炉の成立性評価上重要な限界熱流束評価用基礎データの取得と限界熱流束評価手法の適用性の検討のため、7本バンドル,ギャップ幅1.5,1.0及び0.6mm,PWR圧力条件での基礎実験を実施した。実験の結果、質量流速及びサブクール度が大きいほど、質量流束が2,000kg/m/s程度より小さな領域ではギャップ幅が広いほど限界熱流束は大きくなることがわかった。また、高クオリティ域でのCHFの発生等の実験結果から、液膜ドライアウト型のCHFの可能性が示唆された。KfK相関式を組み込んだサブチャンネル解析コードCOBRA-IV-Iを実験解析に適用した結果、解析で得られる限界熱流束は実験値より10%から60%低い値であった。このことから、本解析手法は、対象とした体系に対して大きな余裕をもって限界熱流束を評価できることがわかった。
中塚 亨; 石川 信行; 岩村 公道
JAERI-Conf 2001-013, 263 Pages, 2001/09
原研が革新的原子炉として研究を進めている低減速スペクトル炉について、最新の研究成果を報告するとともに、所内関連部門の研究者、及び大学、研究機関、電力会社、原子力メーカー等の所外研究者との情報交換を行い、研究の効率的推進に資することを目的として、「第4回低減速スペクトル炉に関する研究会」を平成13年3月2日に開催した。本報告書は、その研究会における発表及び討論の内容を取り纏めたものである。発表は以下の8件である。「低減速スペクトル炉研究の現状」「低減速スペクトル炉のコスト評価」「軽水炉MOX燃料再処理技術の現状」「MOX燃料軽水炉のミクロ炉物理学」「超臨界圧軽水冷却高速炉」「FBR実用化戦略調査研究フェーズ1について」「自立安全性を有する小型一体型PWRについて」「低減速スペクトル炉によるプルトニウム利用」。
大久保 努; 竹田 練三*; 岩村 公道; 山本 一彦*; 岡田 祐之*
Proceedings of International Conference on Back-End of the Fuel Cycle: From Research to Solutions (GLOBAL 2001) (CD-ROM), 7 Pages, 2001/09
1.0以上の高転換比と負のボイド反応度係数を達成する低減速スペクトル炉(RMWR)と称する新型水冷却炉を提案している。現在、上記の2つの設計目標を満足する幾つかの概念が提案されているが、これまで、核分裂生成物やマイナー・アクチニドを含まない燃料を対象として設計評価を行ってきた。本論文においては、高速増殖炉(FBR)に対して提案されている様な低い除染係数を有する先進再処理法の下でのプルトニウムの多重リサイクルに対して、低減速スペクトル炉心の成立性を検討しその確認を行った。
久語 輝彦
Advanced Monte Carlo for Radiation Physics, Particle Transport Simulation and Applications, p.821 - 826, 2001/00
複雑形状で強い非均質性を持つシード・ブランケット燃料集合体を採用したPWR炉心の概念設計を、連続エネルギーモンテカルロ法を用いて実施した。MVPコードを用いた多数のパラメータサーベイ計算とMVP-BURNコードを用いた格子燃焼計算によって、現実的な計算時間で転換比、ボイド反応度係数等を精度良く評価することができた。そして、低減速炉RMWR概念に適したシード・ブランケット集合体概念が確立された。
岩村 公道; 大久保 努; 嶋田 昭一郎*; 碓井 修二*; 白川 利久*; 中塚 亨; 久語 輝彦; 秋江 拓志; 中野 佳洋; 和田 茂行*
JAERI-Research 99-058, p.61 - 0, 1999/11
低減速スペクトル炉は、中性子エネルギーを現行軽水炉よりも高くすることで転換比を増大させ、ウラン資源の有効利用、高燃焼度・長期サイクル運転、及びプルトニウム多重リサイクル等を目指した将来型水冷却炉である。炉心設計では、転換比の増大とともにボイド反応度係数を負とするため、燃料格子の稠密化、炉心の扁平化、ブランケットの活用、ストリーミング効果等の基本的な炉心設計上のアイデアを組み合わせた。これまでBWR型炉として、高転換比炉心、長期サイクル炉心、ブランケットなしの炉心を、PWR型炉として、高転換比炉心、プルトニウム多重リサイクル炉心の概念を創出した。本報告書は、研究目的、国内外の動向、原理及び特徴、炉心概念設計の現状、及び今後の研究開発計画等、低減速スペクトル炉の研究成果をまとめたものである。